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医学部受験の慶応進学会フロンティア» ブログ » 中村 克己» 「素直さ」という強み

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「素直さ」という強み

   投稿日: 2018/11/18    投稿者:中村 克己

 前回のブログでは、私がこの4月からビジネス研修に参加し、講師の先生方の教えを丸呑みすることに努めている、と記しました。

 私は、受講当初から「講師の教えを丸呑み」すると決めていました。

 理由は、その気持ちがないと、自分のフィルターを通して物事を見てしまう、と確信していたからです。そして、「自分フィルター」を通す限り、変容はない、と。

 この確信は、教務体験から得た教訓です。

 私は講師として多くの生徒さんを教えて来ましたが、伸びる生徒さんは、素直なのです。素直さの重要性は、教える立場にある私が強調するとどうしても我田引水になりますので、教師とは遠い生き方をした人間の言葉を引用します。以下、色川武大「うらおもて人生録」(新潮文庫)P44~46より↓

 「俺の中学の頃にクラスで首席を通した男は、彼にはわるいけれども、もともと能力の点で、他の皆を段ちがいに離しているというわけではなさそうだったな。ただ、彼は他の皆よりもスケールが大きいんだ。
 どういうふうに大きいかというと、学校側が与えるものはほとんど鵜呑みのように呑み込むんだ。まるで乾いた砂地が水を吸い込むようにね。当時は戦時体制だからね、学校側の体制もひどくかたよっていて、それに対して彼がどう考えていたか内心まではわからなかったが、とにかく在学中は、そういうかたよりまで含めて、もちろん学問も、伝達されることはすべて呑み込んでしまう。その態度が一日として変わらない。素直、というふうにもいえるかもしれないし、誠実、実直。しかし、よく見るとそれが努力なんだな。非常に素直になる努力。
 他にもそれなりに努力している者は多かったけれども、他の者はいずれも素直という点で劣っていたな。なにかもう少し小さな主体性がどこかに現れてしまうんだ。たとえば、~(中略)
 首席の男はそうじゃなかった。ところがね、彼は卒業すると同時にほとんどわき目も振らずという感じで、英文学の世界に突っ込み、今、学者になってる。
 中学の教室にいたときには、ほとんど何も特長を見せずにまんべんのない感じだったけれど、やっぱり内心では方針を確定させていたんだね。
 俺は劣等生だから、他の誰に対しても大きなことは言えないが、実際問題として他の者はそう怖いとは思わなかった。ただ一人、首席の彼には脱帽したんだな。
 俺は素直じゃないから、そもそも彼の真似はできなかった。誠実でも実直でもないから勉強というやつはどうしても駄目だ。
 だが、もう学校と本気で勝負するならば、彼のやり方は理想的だな。
 まず第一に、限りなく素直になること。
 第二に、しっかり胆力を練って、自分の走り方を考えること。
 ちょっと相反しているようだけれども、この二つ、心棒なんだな。」

 これを私が最初に読んだのは大学生の頃です。その頃は将来自分が講師になるとは想像もしていませんでしたが、教壇に立って10年以上経った今も、上述の言葉は卓見だと感じますし、真理だと言いたいくらいです。

 丸呑みしようとすれば、自分の個性が無くなってしまうのではないか。

 そのような危惧を、私は抱きません。ある理想や型にハマろうと努めて努めて、それでもどうにもならずにはみ出てしまう部分を個性と呼ぶのであって、その研磨を経ていない、単なるだらしなさを「個性」扱いするのはどうかと思います。

 生徒さんの指導を通じ、感じ続けて来たことがもう一つあります。それは、覚悟を持って反復しないと、学びの効果は半減する、ということ。半減どころかすぐゼロになる。私は毎回、驚嘆しながら聴講していますが、それでも、何もしなければ、半年後には何も残らないと思っています。もっと言えば、「後戻り」どころかマイナスになることもあり得ます。「分かったつもりになって、逆に生意気になる」ケースですね。

 大枚をはたいて参加して、そんな馬鹿げた事態を招くわけには行かない。最低でも10倍にして回収しないと死に切れません。私は貴種ではありません。100円を稼ぐために頭を下げて来た人間で、お客様から対価を頂くことの大変さは知っているつもりです。お金も時間も、私にとっては極めて貴重なもの。だから自分で言いますが、投資回収への決意はムチャクチャ固いです。

 医学部は、大きな額のお金が動きます。この世界に足を踏み入れた当初、私は面食らいました。だんだん慣れてしまいましたが、慣れは怖い。慣れちゃいけないと思います。

 受験料だけでも大変な額です。絶対にモトを獲る、という強い決意を受験生は持つべきです。暗記が大変とか科目の好き嫌いとか、そんなこと言ってる場合じゃない。そんな時期でもありません。

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