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読書の秋

   投稿日: 2018/09/13    投稿者:中村 克己

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数日前に、「エースと呼ばれる人は何をしているのか」という本を古本屋で買いました。著者は夏まゆみさんというダンスプロデューサーで、長野五輪の閉会式や紅白歌合戦のステージングを担当した経験を持つ、業界では有名な方のようです。近年ではモーニング娘。やAKBなど、名だたるアイドルやアーティストを担当されています。


受験生には一読を勧めます。このブログで本を勧めたことはありませんが、初めて勧めてもいいと思いました。平易な内容ですし、出てくる例が、前田敦子さんなど若者にも馴染みがある方ばかり。「成長し続ける人のメンリティ」について学ぶには格好のテキストです。


次の箇所は特に引用しておきたい↓


「底力そものもは、誰にでも備わっています。どんな人でもギリギリまで追い込まれれば必ず底力を出してきます。
 ただ、このとき合宿審査(中村注:「モーニング娘」のオーディション合宿)に参加した10名はほとんどが小中学生であり、生まれてこのかた『死に物狂い』で頑張った経験をしていません。だから自分がどれほどの力を持っているか気づいていないし、その力をどうやって出せばいいのかも知りません。
 そんな子から底力を引き出すには、やはり限界まで追い込む必要がある。
 鬼コーチにギリギリまで追い込まれて、何度も『無理だ』と思ったけれど、やってみたらムリじゃなかった、もっと力が出せた―。そうなったとき、彼女たちは初めて自分が持つ底力の大きさを知り、自信を持つことになるのです」


ダンスは、頑張った時、その効果が比較的短期間で見えやすいジャンルなのではないかと思います。仮に人間の構成要素を「身体・心・脳」で分けたとき、最も変わりやすいのは身体だと私は思っています(ライザップが結果にコミットできるのは、対象とする領域が身体であることに大きな要因があります)。


苦しいから止めたいけど、鬼コーチがそれを許さない。倒れそうになるのをこらえてレッスンを続けて続けて続けた結果、臨界点を超え、自分の枠が広がるのが分かる。おそらくダンスは、そういった経験を積みやすい。一旦壁を超えれば、自信がつきますし、次からは鬼コーチにドヤされなくても自ら苦しい道を選ぶことが出来る。そのようにして教え子を成長させる、というサイクルを、著者の夏さんは確立されています。

15年ほど前、私が中学・高校受験の大手塾で教えていた時、凄まじい「鬼コーチ」と一緒に仕事をしたことがあります。上位クラスを受け持つケースが多かったように思いますが、無茶振りとも言える質と量の課題を出して、超スパルタで引っ張る先輩講師がいました。


とりわけ小学生相手には彼の指導スタイルはかなり有効で、「出来ないなら下のクラスに行け。今の志望校は諦めろ」という宝刀をちらつかせつつ、モノを投げたり机を蹴ったりして恐怖も与え、「点が全て」と生徒をマインドコントロールして、小学生の生活を勉強一色に染め上げていました(もちろん、保護者の理解を得た上でのことです)。ついて行けない生徒も続出していましたが、ついて行った生徒の伸び幅は大きく、たいていは結果を出していました。卒業して中学生になった生徒が教室に遊びに来ることも多かった。その時は仏のような顔でにこやかに対応する。学生講師には絶対に出来ない芸当で、これがプロなんだ、と駆け出しの私は感嘆したものです。


「死に物狂い」で頑張った経験は大きな財産です。しかし今は、そういった経験が積みにくい。鬼コーチの肩身はどんどん狭くなる時代で、下手なことをすればパワハラになりかねません。小学生相手ならともかく、大学受験の予備校でスパルタ指導をするのは尚難しい。合宿生活でカンヅメにでもならない限り、豊かな日本には「逃げ道」はいくらでもあります。また、耳に痛いことを根気よく言ってくれる人は希少種になりましたから、成長を志向する人間にとって、現代は受難の時代なのです。ニコニコ対応しつつ、実は教師が教え子を見限っている。そういう恐ろしい光景が、公教育の現場においても珍しくはないのではないのでしょうか。


(今は、教師に無条件で敬意が払われる時代ではなく、教師はただのサービス業になっている、と言っても過言ではありません。結果、顧客のクレームを避けるためには無難に対応するのが一番、ということになります。しかしそれでは成長は加速しない。このジレンマを解決するには、スポンサーである親御さんが、自らの教育方針を教師にハッキリと伝えることが重要になります)


今のような趨勢下ではますます、学ぶ側の自覚と自己管理が重要になります。


本書は目次だけでも勉強になります。曰く、


「もっと『個人』になりなさい/『群れない時間』を作りなさい/『強き者』にはとことんライバル心を燃やせ/よいプライドは自分を美しく、悪いプライドは自分を醜くする/私が『鬼コーチ』になって追い込む理由/眠っている『底力くん』に会いに行きなさい/欠点を認めなければ『正しい努力』は生まれない/長所・短所にはスキル的なものと性格的なものがある/性格的な短所は『消す』のではなく『出し入れ』できるようにする/一流の人ほど休憩時間の使い方が一級品/ムカついている相手にこそ『ありがとう』を伝えなさい/『地味で正直』はかけがえのない強みと心得よ」...等々。興味のある方は一読を。


なお、当校にはドSの先生方が揃っていますので、成長を志向する方は是非門を叩いて下さい。

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