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世界の人

   投稿日: 2018/06/03    投稿者:中村 克己

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 前回の続きとして「バランス」について深掘りするつもりでしたが、その前に、昨晩の出来事について書こうと思います。

 昨日の午後、私はお能を見に行きました。こう書くと粋人か何かと勘違いされそうですが、私は映画や演劇は苦手で、見ていると寝てしまうので、よほどの御縁がない限り行きません。昨日も観劇中に睡魔と闘い、終わった後もしばらくは席でボーっとしていました。

 その時、大半のお客さんが帰って閑散とした客席で、私と同い年くらいのロシア人に話しかけられました。聞くと、普段はモスクワに住んでいて、大学で数学を教えているという。頻繁に来日して、京大や東工大で、カンファレンスや講義に参加している。今回の日本滞在は2週間で、明日帰国する予定だ、と。

 日本文化が好きで、水道橋の宝生能楽堂で見た「小鍛冶」を見て以来、能にもハマっている、と。「小鍛冶」は、日本刀を打つ鍛冶屋さんの話です。僕は能も日本刀も大好きだ、あなたのような異国の方が日本を好きになってくれてうれしい、とか適当なことを言ってたら、今から上野に行かないか、と彼は言う。今日は土曜だから、21時まで国立博物館が空いている。時間はあるか?と。

 本来、その後は仕事に行く予定でしたが、生徒さんの事情で延期になり、たまたまスケジュールは空いていました。せっかくの機会と思い、二人で上野に行きました。

 前回のブログでは、美術を学ぶとバランス感覚が鍛えられる、という内容の本を紹介しました。その主張の成否はさておき、少なくともアートは、外国人と話すときの話のネタにはなります。ロシアの画家だとやっぱりシャガールが好きだ、と言うと、シャガールもいいけどカンディンスキーの初期の作品が最高にクールだから見て欲しい、と彼。"Kano family"(狩野派)が好き、という彼に、伊藤若冲は知ってるか?ここ数年来、日本では若冲がブームで、そのうち世界は若冲を知ることになると思うよ、と僕。

(スピーキングをしている時は、普段自分が教えている受験英語と、実際のコミュニケーション英語の違いを痛感します。普段は使わないこともあり、私は英会話は得意ではありません。僕は英語を教えている、と言った時の、彼の「...マジで??」と言わんばかりの表情は忘れられません。。英語の「聞く・話す」に関しては、彼は全く不自由していないようでした。日本で4技能が問われる時代はすぐそこ、、スピーキングの機会を作らねば。語学屋の勉強は一生続きます)

 ただまあ、発音や構文は怪しくても、固有名詞を出して、例えば「ゴーギャン?グレイト!グレイト!」とか言ってると、一応は通じ合えます。

 国立博物館にはいくつもの建屋がありますが、法隆寺宝物館が特に最高だ、と彼は言う。閉館前の20時台だったのでかなり空いていて、入館者は外国人の方が多いくらいでした。その後も彼は興奮しっぱなしで、ミュージアムショップでは狩野永徳の「檜図屏風」のミニチュア版を買っていました。閉館後、飲みに行こうと誘われましたが、私はほとんど飲めませんし、バテていたので別れて帰宅しました。

 ものすごく腰が低い、丁寧な男でした。今でも、詐欺師かゲイか、どっちかの可能性あるな、と思っています(中村注:私は詐欺師には偏見を持っていますが、ゲイには持っていないと思います)。あなたは本当にpoliteだね、と伝えたら、 "Mathematician requires humility."と彼は答えました。数学者は謙虚さが必要なんだ、と。彼曰く、数学は、どんなに考えても分からないことが沢山ある。それでもトライし続けなくちゃいけない。そのためには謙虚じゃなきゃいけないんだよ、と。

 ここで"humility"という言葉がナチュラルに出てくるところが英語上級者です。以前、私の友人で海外経験が長い女性が「日本人の英語は、単語!」(の克服に尽きる)と言っていました。結局、英会話も単語の集積で成り立っていて、一瞬でアウトプットできる単語(active vocabulary)の量が大事です。受験英語も単語と熟語で決まる部分が大きいですから、受験生諸君は、将来の英会話も視野に入れて、毎日声に出しながら単語・熟語と格闘して欲しいと思います。

 大変ですけどね、語学を続けるのも、外国人と積極的に交流するのも。ただ、時計の針は元には戻せない。日本語だけ使って生きていける時代は過去のものになりつつあります。他者(例えば外国人)と関わらずに生きて行くことは出来ない。いい人ばかりではなく、中にはワルイやつだっていますから、自分を守る、あるいは主張する強さがないとヤラれます。

 梅雨の時期は、受験生にとって苦しい時期です。ちゃんと食べて、ちゃんと寝て、エネルギーをチャージして下さい。とりわけ医学部受験生は、「(色々な意味で)自分が強くなる」以外の選択肢はない、と肚をくくって乗り越えて欲しいと思います。

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