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コンディショニング

   投稿日: 2018/06/19    投稿者:中村 克己

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「医者の不養生」という言葉があります。人に養生を勧める医師が、自分は健康に注意しないこと。転じて、正しいと分かっていながら自分では実行しないことをたとえた言葉ですが、「健康に注意する」のは、言うは易く行うは難しいものです。人によって体質は違いますし、注意し過ぎても生活者としてのバランスを失う気がしますし。

 ただ、健康への留意が仕事そのものになっている職業もあって、彼らは自らの存在を懸けてコンディショニングを整えます。例えば、プロサッカー選手。

 今夜、日本代表はW杯の初戦を迎えます。前回のブラジルW杯では最終調整の失敗がよく取り沙汰されます。あのチームのコンディショニングコーチだった早川直樹氏は今でも失敗を悔やんでいて、その悔しさをバネに、協会内で精力的に仕事をしているとか。

 コンディショニングの重要性に関しては様々な選手やコーチが口を酸っぱくして繰り返すので、サッカーにおいてはよほど重要なのでしょう。手元に遠藤保仁と岡田武史の対談記事(2016年リオ五輪直前に行われたもの)がありますが、彼らも、「俺ら(日本)のサッカーは、コンディションが良くないとダメ」(遠藤)「コンディションを良い状態に持って行くのは絶対的な条件」(岡田)と語っています。

 岡田氏いわく、日本が躍進した南アフリカW杯の時は高地順化がテーマだったそうです。日本は少しユニークな手法をとったので、岡田さんは大会前、イタリアのリッピ監督に「どうしてそんなやり方をするんだ?」と驚かれたそうですが、いずれにせよ日本の試みは上手く行き、万全の準備が出来た。一方、イタリアは調整に失敗したようで、岡田氏は「本番では、高地を拠点にしていたイタリアは疲労が抜けなかったんじゃないかな。要は一つ手順を間違ってしまうと、コンディショニングは大きく変わってくるということ」と語っています。

 一年中、激しく肉体を酷使する職業と言えば、テニスプレーヤーも当てはまります。3年くらい前、ジョコビッチが書いた食事本が日本でも売れましたが、以下は原書からの引用です↓

 "We're like precision instrument: If I am even the slightest bit off―if my body is reacting poorly to the foods I've eaten―I simply can't play at the level it takes to beat these guys."「われわれは、寸分の狂いも許されない楽器のようなものだ。もし私の体がほんの少しだけでもベストの状態からずえていたら―たとえば、食べたものに対して身体がうまく反応しなかったら―こういう選手たち(中村注:ナダル、フェデラーといったトッププロ)と同じレベルで戦い、勝つことはできない」

 ジョコビッチ曰く、昔のプレーヤーは、食事やフィットネスよりも、技術を重視していたそうです。しかし今は昔よりも日程が過密になり、優先順位が変わって来た。

 "Today's tennis players are so professional that fitness and nutrition are fundamental."「現代のテニス選手というのは非常にプロフェッショナルであり、肉体の管理と栄養補給は基礎中の基礎だ」

 長谷部なんて「今では例えばチョコレート1個食べることにも自制心が働いてしまう。サッカー選手として、このチョコ1個食べたら、最後の一歩が出ないかもしれないとか(笑)」と言ってますからね。何とも窮屈な人たちです。

 でもこれは、彼らだけの価値観ではない。私は都心に住んでおり、また子育て世代なので猶更そう感じるのかもしれませんが、現代社会って、ほんと慌ただしいですね。スマホとノートパソコンがあって、24時間、いつでも仕事や他者と接続できる。意識的にリカバリー(疲労回復)をしないと、エンドレスで生じるタスクに呑み込まれます。

 人と人を比べ、勝ち負けをつける価値観もまだまだ残っている。プロスポーツ選手だけでなく、我々の社会全般においても、激しい競争原理とそこから生じる格差があって、どうも面白くない、と感じることが私にはあります。そういう競争に向いているならいいですけど、向かないのに巻き込まれたらタマらない。私達の社会に新しい価値観と活力が生まれるよう、皆が積極的に政治参加すべきです(←誰?)。

 医学部受験生も、本気で受かろうと思ったら、頭脳も肉体も精神も、ギリギリまで酷使することになると思います。ゆっくり休む時間はない。「一人ブラック企業」状態が、何か月も続きます。当然、コンディショニングには最大限の気を配るべきですが、それでもキツイことでしょう。

 しかし、それは受験生が、自分で選んだ道だと思うんですね。
 もっとラクな道はいくらでもある。
 でも、あえて苦しい道を選んだ。
 だったら、やり切るべき。
 サッカー日本代表じゃなくても、「絶対に負けられない戦い」は、目の前にあります。

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