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両方大事

   投稿日: 2018/03/03    投稿者:中村 克己

 今、「不死身の特攻兵―軍神はなぜ上官に反抗したか」(講談社新書)という本が売れています。以下の宣伝コピーを見てもらえれば、内容は想像がつくと思います↓

 「1944年11月の第一回の特攻作戦から、9回の出撃。陸軍参謀に『必ず死んで来い』と言われながら、命令に背き、生還を果たした特攻兵がいた」

 「『精神』を語るのは、リーダーとして一番安易な道です。職場の上司も、学校の先生も、演劇の演出家も、ダメな人ほど『心構え』しか語りません(中略)本当に優れたリーダーは、リアリズムを語ります。現状分析、今必要な技術、敵の状態、対応策など、です」

 著者は鴻上尚史さん。30年以上も演劇界の第一線で活躍している演出家で、テレビにもたまに出ますからご存知の読者様もいるでしょう。戦前の日本が陥った「極端な精神主義」を取り上げ、今の日本にもその残滓が残っているのでは、と提起する。これは彼のライフワークにもなっています。

 私は、彼に出会って人生が変わったと言っていいくらいの鴻上ファンです。代表作「朝日のような夕日をつれて」を読んで感動し、俺も早稲田に行って演劇をやろうと決意して勉強し、実際に進学しました。

 だから鴻上さんには何の恨みもなく、むしろ「一生ついて行きます♡」くらいの気持ちなのですが、それでもなお、本書を読むだけでは、歴史の見方が一面化してしまう、と思います。

 私は教育屋なので、過去の日本の教育や海外の教育にはアンテナを張っています。で、戦前の教育には、いいところも沢山あったと思っています。江戸時代や明治時代の教育が本当に悪辣な水準であれば、いくら何でも国際連盟(←「連合」じゃないです)の常任理事国にはなれなかったのではないでしょうか。

 という話をすると「ちょっとあの人、ウヨクなのかしら」と思われかねないのでイヤなのですが(安易に右翼とか左翼とかいう言葉を使う人は、その時点で、半分くらい思考停止してます)。

 戦前だろうと戦後だろうと、いいものはいい、わるいものはわるい、です。例えば戦前は(主に漢文の)素読・音読をするのが当たり前でしたが、戦後は無くなりました。これは極めてもったいない。計り知れないほどの損失だと思います。

 例えば湯川秀樹は、5、6歳の頃より、祖父から漢籍の手ほどきを受けて育ちました。彼の自伝には「私はこのころの漢籍の素読を決してむだだったとは思わない。...意味もわからずに入っていった漢籍が大きな収穫をもたらしている。その後大人の書物をよみ出す時に文字に対する抵抗は全くなかった。漢字に慣れていたからであろう。慣れるということは恐ろしいことだ。ただ祖父の声につれて復唱するだけで、知らずしらず漢字に親しみその後の読書を容易にしてくれたのは事実である」と記されています。

 で、「英語でも、音読は超重要ですよ。声に出さないなんて兆単位の損失ですよ」というお説教につなげたいわけなのですが、、、この話、続きます。

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