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医学部受験の慶応進学会フロンティア» ブログ » 中村 克己» 2018 慶応医学部の英語から思うこと

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2018 慶応医学部の英語から思うこと

   投稿日: 2018/02/20    投稿者:中村 克己

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  昨日、慶応医学部の入試が行われました。以下、入試問題を読み解いて行きます。

 今年の最大の特徴は、英作文が増えていることでしょう。和文英作は7題に増え、自由英作文も2題に増えています。自由英作のうちの1題は新傾向で、次の内容でした。

「日本人のユーモアは西洋人のユーモアとはさまざまな点で異なる。しかし、日本の英字新聞に掲載されたこの記事は、日本に居住する外国人に、違いよりも似ている点に注目して、日本人のユーモアのセンスが分かるようになることを推奨するものである。文章の冒頭が欠けているので、導入部としてふさわしい文章を英語40字から50字程度で書きなさい」

 つまり、第1パラグラフを自分で創りだし、英語で書くことが要求されています。

 ここで必要とされるのは英語力だけではありません。第2パラグラフとのつながりを踏まえる必要がある。つまり文脈力が不可欠ですし、何より限られた時間で書くコンテンツを思いつくイマジネーションが必要です。

 ただ暗記を積み上げただけでは対応しきれない。その意味では「新時代」を意識した出題と言えましょう。この手の問題に対し、今の学生はどれほどの答案を書けるのか。採点官がデータをとりたくて新傾向の問題を出したのではないか、と私は勘繰っています。

 新学習指導要領は、2020年4月に小学校で全面実施されます。2021年には中学で、2022年には高校で実施されることが決まっています。その中では「暗記⇒思考力・判断力重視へ」という方針が明確に打ち出されています。

 ここで英語講師の私は考えます。英語という科目の性質上、暗記量を減らすことは、読解力の低下に直結する、と。

 医学部入試では長文重視の傾向が続いています。では、文法はやらなくていいのか。単語は覚えなくていいのか。そうじゃない。ここを疎かにしたら、「フィーリングで何となく読むだけ」になります。ハイレベルな争いは勝ち抜けない。地道な反復・暗記はどうしても必要です。

 一方で、これからは「思考力・判断力・表現力」が今まで以上に要求されることになる。つまり、受験生に対する要求水準は上がる、ということです。その結果、どうなるか。

 受験生の能力が二極化する可能性があります。

 北大名誉教授の佐々木隆生先生は、現在進められている入試改革について「トップ層を軸としたグローバル化への対応で、中堅以下の学力の底上げではない」とコメントしています。

 また、全国高校長協会長の宮本久也先生(都立西校長)は、次のように懸念を示しています。「教える分量は減らさず、教育の質を高めるのは相当難しい。指導方法の工夫が必要だが、子供たちが消化し切れるのかも心配だ」「教員はもとより、生徒も相当忙しくなる。考えたり、まとめたりする作業は授業だけで完結せず、土日や夏休みを使わないといけなくなる。勉強、部活、行事と、今やっていることが全部できるのか」

 入試制度や指導要領の改変に伴い、様々な紆余曲折、もっと言えば混乱が生じると思われます。しかし今は時代の過渡期であり、従来の教育を続けていては行き詰ることもまた自明だと私は考えます。もはや御両親の受験経験が役立つとは限らない時代です。

 いずれにせよ、これから入試を迎える受験生は、十分な準備、覚悟、情報収集力、柔軟性、変化への対応力が求められます。

 しかし、要求される水準が高い分だけ、乗り越えた若者の逞しさは旧世代をしのぐ可能性だってあるわけです。「戦後最強世代」をけん引するつもりで、医学部受験生には頑張って頂きたいと思っています。

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