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『奇跡の脳』

   投稿日: 2015/08/12

『 』この括弧(かっこ)は日本語では、書名を表します。今回は本の紹介です。

脳神経科学の専門家、ジル・ボルト・テイラーが脳卒中に襲われます。発症から手術、リハビリまで8年にわたる記録です。

 

左脳で大出血をします。一人暮らしをしていて自らの力で救助を呼ばなければなりません。見えること考えることなど、左脳と右脳がどのように働き、脳がどのようにして身体を動かしていくか、細かく描写されています。

 

手術を終え、リハビリが始まります。するとまた、左脳と右脳がどのように関わりあって、「自己」を取り戻していくかが記されています。

 

これまで、左脳と右脳はそれぞれ仕事分担をしているように思っていましたが、相互に協力しあっているというのは大きい発見でした。

 

本文よりいくつか引用します。

 

(リハビリで)いろんな人が誤りを正してくれたのでとても助かりましたが、誰もわたしが言いたいことを「引き取ったり」「カンペを出したり」しなかったのが、非常に重要だったように思われます。言語能力を取り戻すためには、自分で頭の内部の回路を探しだして、自分のペースで使うしかないからです。

 

左脳が判断力を失っているあいだに見つけた、神のような喜びと安らぎ静けさ...深い心の平和というものは、いつでも、誰でもつかむことができるという知恵を私は授かりました。涅槃(ニルヴァーナ)の体験は右脳の意識の中に存在し、どんな瞬間でも、脳のその部分の回路に「つなぐ」ことができるはずなのです。

 

うまく回復するためには、できないことではなく、できることに注目するのが非常に大切。

 

もし回復を「古い脳内プログラムへのアクセス権の再取得」と定義するなら、わたしは一部しか回復していません。どの感情的なプログラムを持ち続けたいのか、どんな感情的なプログラムは二度と動かしたくないのか(たとえば、短気、批判、不親切など)を決めるにはやきもきしました。この世界で、どんな「わたし」とどのように過ごしたいかを選べるなんて、脳卒中は何てステキな贈り物をくれたのでしょう。

 

わたしたちの心は、高度に進んだ「求めよ、さらば与えられん」式の器械なのです。心は、探しているものに集中するようにできています。もし世界の中で赤を求めようとすれば、それをどこでも見つけられるようになります。最初は見つけにくくても、ずっと赤を求めることに集中していると、意識せずとも赤をいろんなところで見ることになるのです。

 

ここで紹介した本は『奇跡の脳 -脳科学者の脳が壊れたとき-』、著者ジル・ボルト・テイラー(竹内薫訳)、新潮文庫(テ-23-1)です。

 

また、著者自身がこの体験を語っていて、その様子はwww.ted.comで見ることができます。






英語科主任   坂田博

 

 

 

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